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【シネマートで今やってます。Vol.33】『犯罪都市』マ・ドンソク主演!韓国歴代3位の大ヒットクライムアクション!




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こんにちは、エスピーオー宣伝担当Yです。

明日からゴールデンウイーク後半!前半は夏のような暑さを感じる日も多かったですが、後半はみなさんどのようにすごされるのでしょう?

楽しみだった大型連休も終わりがじわじわ近づき、現実に引き戻され始める方が多いかと思いますが、そんなみなさんに今回お届けする映画レビューコラムは、パワフルで痛快な高濃度クライムアクション作品です。



『新感線 ファイナル・エクスプレス』で素手でゾンビをなぎ倒す熱い役柄を演じ、マブリー(名前+ラブリー)の愛称で日本にもファンが増加中のマ・ドンソクが主演し、『プンサンケ』やドラマ「グッド・ワイフ~彼女の決断~」など映画やドラマで活躍するユン・ゲサンがキャリア初の悪役に挑戦したアクション映画『犯罪都市』。韓国では、青少年観覧不可映画ながら、ウォンビン主演の『アジョシ』を超え韓国歴代3位となる大ヒットとなった作品です。

一言で言うと、とにかくアクション度120%で"マブリーの魅力たっぷりのハマり役!!"となったパワフルで濃い~作品でした・・・。

4月28日より公開されているので、すでにご覧になった方も多いかと思いますが、ネタバレに気をつけながら書いていきたいと思います。



映画の舞台は2004年のソウル、マ・ドンソク演じる主人公マ・ソクトは衿川(くむちょん)警察の強力班刑事。
ヤクザ相手でも、刃物を振り回していようとも、張り手ひとつでなぎ倒してしまうコワモテ刑事。気持ちいいくらいに素手でバッタバッタと倒していく様や、あの大きな体では想像がつかないほどのスピードで犯人を追いかけ、いとも簡単に捕まえてしまう・・・。
これまで観てきたどんなマ・ドンソクより、マ・ドンソクにふさわしい役柄に冒頭からグイグイと引き込まれていきました。



ソクトたちの管轄の地域には中国同胞が定着して築かれたチャイナタウンがあり、日々朝鮮族組織同士の小競り合いが続いていました。そんな中、中国から新興勢力の黒竜(ふんりょん)組のボスとしてユン・ゲサンが演じるチャン・チェンが現れ、残忍で傍若無人に街をそして闇社会を荒らしていきます・・・。



ユン・ゲサンが男臭い役柄を演じたのはこの作品がはじめてではないのですが、ここまで振り切った悪役は初めてで、あまりのイカレっぷりにしびれてしまいました。ナイフや斧で一瞬で相手を痛めつけ、法律とか筋とかまったく関係がないように、やりたい放題のチャン。たった3人で入ってきたのにいつの間にか、既存の朝鮮族組織を乗っ取って縄張りも拡大していってしまいます。

チャンの手下2人のうち、沸点が異常に低い血の気の多いソンラク役を演じたチン・ソンギュも、顔つき、行動含め、イカレ具合がユン・ゲサンに負けず劣らずで、凄かった・・・。チン・ソンギュはオーディションでこの役を勝ち取ったそうで、その熱演により第38回青龍映画賞・助演男優賞を受賞したほど。



ちなみに、ユン・ゲサンとチン・ソンギュはソ・ジソブ、キム・ハヌルとの豪華競演で朝鮮戦争を舞台に生きる男女の友情と愛を描いた大作ドラマ「ロードナンバーワン」で共演し、それ以来親交があるそうで、ユン・ゲサン主演の『プンサンケ』でも共演しています。
「ロード~」も2人とも男臭い役柄ではありましたが、この作品のイカレ悪役っぷりとは真逆の硬派な役柄で、ユン・ゲサンはその演技力を高く評価された一作でした・・・。

「ロードナンバーワン」
シン・テホ役(ユン・ゲサン)&コ・マニョン役(チン・ソンギュ)
(C) LOGOS FILM / MBC


話を戻しますと、このイカレた3人組率いる黒龍組がチャイナタウンの一般市民たちにまで横暴に危害を加えるようになり、ソクトたち警察は好き勝手に暴れ続けるチェンたち組織を一掃しようと計画を練り始めます。そのうちに既存の朝鮮族組織や最大勢力の韓国人マフィアまでも蹴散らす勢いで暴走をはじめ、三つ巴の激戦状態に・・・。
派手なアクションシーンの連続で、息つく暇もないほどですが、随所にマブリーの魅力が溢れていました。



ソクトは向かうところ敵なし、拳ひとつで次々にノックアウトしていく怪物刑事ではあるのですが、人間的な優しさにあふれ、機転もきくデキル男でもあるんです。母と生き別れ一人生きるためにチャイナタウンの飲食店で働く15歳の少年を気にかけていたり、この荒れている地域で強力班として荒くれものたちと対峙していくことに恐怖心を覚える新人刑事に対し、先輩として愛溢れる言葉をかけたり・・・。コワモテなんだけど、人間味あふれる魅力的なキャラクターはマブリーだからこそ作り上げられたのかもしれません。



2004年に実際にあった一斉摘発の実話を基に描かれているこの作品。実話だからこそのリアルさを追求したカン・ユンソン監督は新人なのにその情熱や本気っぷりが半端じゃなかったのかもしれません。怪物刑事マ・ドンソクとイカレた悪役ユン・ゲサンの対決シーンは、凄すぎて、凄すぎて、2人の本気っぷり、監督やスタッフの本気っぷりまで十分に伝わってくるシーンでした。


連休明けで現実に戻りたくない人、現実に引き戻されて既に疲れ気味の方、そんな疲れが吹っ飛ぶくらいの、パワフルな作品、劇場の大きなスクリーンでたっぷりと体感してみてはいかがでしょうか――。


映画『犯罪都市』はシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにて全国公開中です。

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▽映画『犯罪都市』予告編映像



出演:
マ・ドンソク『新感染 ファイナル・エクスプレス』『群盗』
ユン・ゲサン『国選弁護人 ユン・ジンウォン』『プンサンケ』
チョ・ジェユン『インサイダーズ/内部者たち』
チェ・グィファ『新感染 ファイナル・エクスプレス』

監督:カン・ユンソン

2017/韓国/カラー/121分  配給:ファインフィルムズ
(C)2017 KIWI MEDIA GROUP & VANTAGE E&M. ALL RIGHTS RESERVED  

公式サイト:http://www.finefilms.co.jp/outlaws/



エスピーオー宣伝スタッフY
韓国映画・韓国ドラマを好きになってから18年以上
時代劇からラブコメディまでジャンル問わず全般的に観ている

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